GPT-6 モデルと推論設定の選び方

GPT-6は3つの軸で選びます。まずモデル(効率のLuna・バランスのSol・最高能力のAstra)、次にreasoning effort、最後にreasoning mode。日常の知的業務はSolのmediumを基準の候補にし、必要以上に上げないのが基本です。作業別のおすすめ組み合わせを表で整理しました。

 ChatGPTやAPIでGPT-6を使うとき、AstraやSol、Lunaといったモデル名に加えて「推論設定」も選ぶ必要があります。どれを選べばよいか迷いやすいところです。押さえるべきは3つの軸で、順番に決めれば絞り込めます。実務での目安はSolのmediumを基準の候補にすること。作業別の組み合わせを表で整理します。

【出典元】Introducing GPT-6 Sol and Luna(OpenAI)

選ぶ順番は3ステップ

設定項目が多く見えますが、決める順番は決まっています。

  1. モデルを選ぶ(Luna/Sol/Astra)
  2. reasoning effortを選ぶ(noneからmaxまで)
  3. reasoning modeを選ぶ(standardかpro)

基本方針はシンプルです。能力とコストのバランスを取りたい日常業務ではSolを基準にしやすく、最高品質を優先する場合はAstra、単価や大量処理を重視するならLunaを検討します。reasoning effortは必要以上に上げず、代表的な業務で比較評価して決めるのが現実的です。

まずモデルを選ぶ

3つのモデルは、役割がはっきり分かれています。

モデル位置づけ向いている仕事選ぶ目安
Luna最も効率重視分類・抽出・整形・大量処理・繰り返し作業答え方が決まっていて、1件あたりのコストや速度が重要
Sol能力とコストのバランス調査、資料作成、分析、コーディング、業務フロー能力とコストのバランスを取りたい業務の候補
Astra最高能力難しい推論、研究、複雑な開発、コンピューター操作、重要な判断品質優先・失敗コストが高い・難度が高い

次にreasoning effortを選ぶ

AIにどれだけ考えさせるかの設定です。対応するモデルが設定ごとに違う点に注意してください。

設定対応モデル主な用途使い方の目安
noneSol/Luna分類、抽出、定型変換、単純な問い合わせ処理推論がほぼ不要。最速・最省トークン寄り
lowAstra/Sol/Lunaデータ分析、下書き、定型コード、カスタマーサポート明確な指示があり、判断が限定的
mediumAstra/Sol/Luna調査、表計算、スライド、エージェント型コーディング複数ステップを伴う通常の知的業務
highAstra/Sol/Luna難しい推論、複雑なデバッグ、長めの調査・ワークフロー精度を優先したい難題
xhighAstra/Sol/Luna深いレビュー、セキュリティ、長時間のエージェント処理失敗コストが高い複雑タスク
maxAstra/Sol/Luna最も複雑で品質優先の仕事本当に改善するか評価したうえで限定利用

注意点が2つあります。GPT-6各モデルの対応一覧にminimalは含まれません。既存設定でminimalを使っている場合、またはnoneからAstraへ移行する場合は、lowから比較評価するのが公式ガイドです。またAstraはnoneに非対応で、noneが使えるのはSolとLunaだけです。

3つ目の軸はreasoning mode

見落とされがちなのが、effortとは別に選べるreasoning modeです。Responses APIでstandardとproのどちらかを指定します。

既定はstandardです。proは難しい品質優先タスクで、より多くのモデル処理を行うため、待ち時間とトークン使用量が増えます。effortとmodeは独立しているので、最難関のタスクでは同じeffortのままstandardとproを比較評価するという進め方になります。

作業別のおすすめ組み合わせ

ここからが実務の話です。以下はOpenAIの公式ガイドをもとにしたマッピング例で、公式が作業ごとに固定の設定を指定しているわけではありません。実際の設定は、品質・待ち時間・トークンコストを比較して決めます。

具体的な作業モデル設定選ぶ理由
問い合わせメールを種類別に仕分けるLunanone-low答え方が決まっており、深い推論が不要
アンケート自由記述を分類・集計Lunalow大量処理で1件あたりの効率が重要
議事録を要約して箇条書き化Lunalow元情報があり、判断が少ない
商品説明文を指定形式に整えるLunanone-low変換・整形中心の作業
顧客対応の一次返信を下書きSollow一定の判断と文章品質を両立
売上データを分析してグラフ化Sollow-medium分析中心。複雑ならmediumへ
記事・提案書の下書きSollow-medium明確な材料があればlow、構成検討はmedium
既存コードのバグ修正Sollow-medium範囲が明確ならlow、原因探索を伴えばmedium
表計算やスライドを作らせるSolmedium複数工程・構成判断が必要
複数手順の調査とレポート作成Solmedium-high通常はmedium、調査が深ければhigh
新機能をゼロから実装Solmedium-highエージェント型コーディング。難度で調整
長時間・多数ツールを使う自動処理Solhigh-xhigh長期ワークフローは高めのeffortが有効
複雑なバグの原因究明Astrahighcomplex debuggingに該当する難題

実務での使い分け

運用の指針を4点にまとめます。

  • 日常の知的業務ではSol/mediumを基準設定の候補にすると運用しやすい
  • 単純・大量・反復作業はLuna/none-lowに下げ、コストと速度を最適化する
  • 難しい推論、複雑なデバッグ、重要な研究やレビューはAstra/high以上を検討する
  • 高いeffortやpro modeが常に正解ではない。代表的な業務で成功率・待ち時間・トークンコストを比較して決める

参考になる実測値

設定の効きを示す数字として、OpenAIの公表値があります。業務ワークフローを測るAutomationBenchで、GPT-6 Sol(xhigh)がClaude Opus 5(max)を上回り、1タスクあたりのコストはOpus 5の約9%でした。

ただしこれは特定のベンチマークの結果です。すべての業務にそのまま当てはまる数字ではありません。自社の代表的な作業で試して確かめるのが確実です。

まとめ

GPT-6の設定は、モデル・reasoning effort・reasoning modeの3段階で決めます。迷ったらSol/mediumから始め、単純作業はLunaへ落とし、難題だけAstraへ上げてください。minimalは対応一覧にないため、使っている場合はlowから比較評価するのが公式の指針です。設定を上げるほど良くなるとは限らないので、代表的な業務で実際に測って判断することをおすすめします。

関連記事