Sol高よりAstra低が勝つ
GPT-6 Astraは、GPT-5.6 Solのちょうど2.5倍の料金です。この数字だけ見ると手が出しにくく感じます。ところが、AIにどれだけ考えさせるかを決める「推論努力」の設定を下げると、話が変わります。Astraを弱い設定で使うほうが、Solを強い設定で使うより成績が良く、しかも同じくらいの費用で済むのです。どちらを選ぶか迷っている方に向けて、数字で整理します。
【出典元】Benchmarking GPT-6 Astra(Artificial Analysis)
単価だけ見ると2.5倍
まず基本の料金を確認します。100万トークンあたりの価格です。
| モデル | 入力 | 出力 |
|---|---|---|
| GPT-6 Astra | $10 | $50 |
| GPT-5.6 Sol | $4 | $20 |
きれいに2.5倍です。ただし単価はあくまで1トークンあたりの値段であって、1つの仕事を終えるまでにいくらかかるかとは別の話です。なお、Solのこの価格は2026年11月21日までの販促価格とされています。
AstraのlowがSolのhighを超える
肝心なのが、設定ごとの実力と費用です。第三者機関Artificial Analysisが測った、推論努力レベル別のスコアと1タスクあたりの費用を並べます。
| 設定 | Astra スコア/単価 | Sol スコア/単価 |
|---|---|---|
| low | 49/$0.63 | 41/$0.23 |
| medium | 52/$1.16 | 46/$0.37 |
| high | 53/$1.41 | 48/$0.61 |
| max | 55/$2.57 | 51/$1.25 |
ご質問の組み合わせを取り出すと、Astraのlowは49点、Solのhighは48点です。Astraが上回っています。費用は$0.63と$0.61でほぼ同額です。つまり同じ予算なら、Astraを軽く動かすほうが良い結果になります。
mediumならSolのmaxより安い
さらに踏み込むと、もっと分かりやすい逆転が起きています。Astraのmediumは52点で$1.16。対するSolのmaxは51点で$1.25です。
新しいモデルを中くらいの設定で回すほうが、古いモデルを全力で回すより、成績が上で費用は安いという結果になります。2.5倍という単価の印象とは逆の答えです。トークンの消費量そのものがAstraのほうが少ないため、単価の差が最終的な支払いに直結しません。
実際の作業でも24分短縮
机上の指標だけでなく、実際のコード作業でも検証されています。同じ案件を任せた結果です。
- Sol(high):$31.79、75分
- Astra(medium):$25.67、51分、品質は同等
- Astra(high):$37.23、77分。高くて遅く、バグを見落とした
Astraのmediumが、費用も時間も抑えて同じ成果に届いています。3つ目に注目してください。設定を上げたほうが結果が悪くなる場合もあるという点です。強くすれば良くなるとは限りません。
上げすぎは損になりやすい
Astra内で設定を上げたときの費用対効果も、はっきりしています。lowからmediumは84%の値上がりでスコアが3点上がりますが、highからさらに上げると31%高くなってスコアは1点しか伸びません。
目安としては、こう考えると迷いません。
- medium:1回聞いて1回答えてもらう作業(抽出、分類、文章のレビューなど)
- high以上:20分以上かかる自律的な作業で、ツールを何度も呼び出す場合
結論としてどちらを選ぶか
費用を抑えたいならSolという判断は、もう単純には成り立ちません。同じ予算ならAstraを弱く回すほうが有利だからです。ただし例外もあります。
Solが向くのは、失敗しても影響が小さく、短時間で終わる大量の処理です。lowの$0.23という単価は依然として最安で、精度をそこまで求めない用途なら合理的です。一方Astraは、間違いが困る場面で強みを発揮します。事実と異なる回答をする割合はAstraが51%、Solが92%と報告されており、差は小さくありません。
まとめ
単価2.5倍という数字に引きずられると判断を誤ります。実際にはAstraのlowがSolのhighを、AstraのmediumがSolのmaxを上回り、費用はほぼ同じか安くなります。これから選ぶ方は、まずAstraのmediumから試して、物足りなければ上げる進め方が堅実です。設定を最大にするより、ちょうどよいところで止めるほうが結果が良くなる場合もあります。