Gemini 4 Argon、得手不得手
Googleの最新モデル「Gemini 4 Argon」が、10月13日からGeminiアプリで使えるようになりました。公開から数日で、使った人の評価は出そろいつつあります。文章、資料、動画の確認には強い一方、コーディングは評価が割れています。さらに、性能より「使える環境」への不満が目立ちます。ベンチマークとX上の声から、得意と不得意を整理します。
【出典元】Gemini 4 Argon: Built to solve your hardest problems(Google)/「Gemini 4 Argon」とは(ITmedia AI+)
無料版では使えず有料プランが条件
Argonは10月1日に限定的に発表され、10月13日に提供範囲が広がりました。使える場所は、プランによって分かれています。
| 使い方 | 対象 |
|---|---|
| Geminiアプリ・検索のAIモード | Google AI ProとAI Ultraの加入者 |
| Google Antigravity(開発ツール) | Google AI Ultraの加入者 |
| API(開発者向け) | 有料tierの利用者 |
| 無料ユーザー | 対象外 |
無料版は、10月9日からFlash-Liteしか使えなくなっています。APIの料金は、11月30日までの導入価格が入力100万トークンあたり2ドル、出力10ドルです。12月1日から4ドルと20ドルに上がります。
強みは文章・資料・動画の確認
評価が高い使い道は、次のとおりです。
- 文章づくり:論理の組み立てに一貫性があり、文章を書かせるなら一番という声があります
- 資料の整理:業務知識を測る「Vals Index」で首位です。法務の評価でも、Google自身の比較でAstraやOpusを大きく上回りました
- 動画・音声のチェック:ある利用者は、25分の解説動画の直すべき点を、約1分半・約0.4ドルで時刻つきのリストにできたと報告しています
- 間違いの少なさ:外部機関の測定で、もっともらしい間違いを出す率が15%と、一定以上の性能のモデルで最低でした
動画や音声を入力できる上位モデルは珍しく、確認作業の手間を減らせる点は実用的です。ただし、これらの比較は一部がGoogle自身の計測です。
弱みはコーディングと冗長さ
反対に、評価が厳しいのは次の点です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 総合力 | 外部の総合指数は53で、Opus 5.5の58に届かない |
| コーディング | ターミナル操作の試験で、Argonは57.4%、Opus 5.5は66.4% |
| 仕上がり | 出力は「かっこいいデモ」止まりで、本番に使うには手直しが必要という声 |
| 冗長さ | スライドやLPの文字が多すぎて、人には読みにくいという指摘 |
X上の投稿でも、コーディングはOpus 5.5のほうが上という声が複数ありました。一方で「価格を考えれば良い取引」「Googleが追いついた」という好意的な声もあります。強みの分野で使い、苦手な分野は別のモデルに任せる使い分けが現実的です。
信頼性の評価は割れている
同じ「信頼性」でも、見方が分かれています。外部の数字では間違いが少ない一方、利用者の声には逆の意見もあります。
- 少ないという声:外部測定の幻覚率は15%で最低でした
- 多いという声:あり得ない思い込みが見られる、指摘すると意見が変わる、という投稿があります
- 難問への正答率:難しい事実の質問に正しく答えた割合は50%で、GPT-6 Astraの63%を下回ります。間違えにくい代わりに、答えを控える傾向があるとも読めます
数字と実感が合わない部分があるため、重要な内容は出典や数字を人が確認する前提で使ってください。
不満が集まるのは使える環境
モデルの性能より多く見られたのが、使い勝手への不満です。
- Proの制限:AI ProではAntigravityでArgonを使えず、期待した機能が試せないという声があります
- 利用上限:Geminiチャットでも、数回のやり取りで制限に達するという報告があります
- アプリの不具合:Macのファイルを扱うだけでGoogle Workspace連携が誤作動した、という投稿もあります
- 開発環境:Google製の開発ツールは、他社より半年から1年遅れているという指摘があります
モデルが良くても、制限や不具合で使い続けにくければ、評価は下がります。契約前に、自分のプランで何が使えるかを確認しておくことが大切です。
向く人と向かない人
ここまでの評判を、使い道ごとに整理します。
| 使い道 | 相性 |
|---|---|
| 文章づくり、長い資料の整理 | 向く |
| 動画・音声の確認 | 向く |
| コーディング、開発ツールでの作業 | Opus 5.5などのほうが安心 |
| 見やすいスライドやLP作り | 文字量の調整が必要 |
| 無料で試したい人 | 使えない |
まとめ
Gemini 4 Argonは、文章・資料・動画の確認に強く、コーディングは他社に及ばない場面があるモデルです。評価は、公開から数日で、早期に使えた開発者の投稿が中心です。ベンチマークの多くもGoogle自身の計測なので、断定は避けるべきです。有料プランの人は、まず強みの分野で試し、制限や使い勝手が自分の用途に合うかを確かめてから、使い続けるかを決めてください。