OpenAI、Soraを終了
OpenAIは2026年3月24日、2025年9月に公開したばかりのAI動画生成アプリ「Sora」を終了すると発表しました。iOSアプリ・API・Sora.comのすべてが閉鎖される予定で、具体的な終了日は未発表です。
主な原因はGPU(画像処理に使う演算チップ)の不足で、Soraが消費していた計算資源を次世代モデル開発に集中させる方針への転換を示しています。
エンタープライズ市場でDisneyとの10億ドル規模の提携契約も同時に破棄されており、OpenAIの大きな戦略転換を象徴する出来事となっています。
【出典元】OpenAI will shutter Sora video app – Axios
GPU不足でSora継続は不可能だった
AI研究や商用サービスを支えるGPUは、現在世界的に不足しています。ChatGPTやAPIを通じた企業向けサービスの需要が急増する中、Soraのような動画生成サービスは膨大な計算資源を消費するものです。
OpenAIはAnthropicやGoogleとのエンタープライズ市場での競争が激化する中、リソースの集中を迫られています。企業向けAI支出において、新規顧客の獲得でAnthropicが約73%を占め、OpenAIは27%まで落ち込んでいる状況で、Soraの維持と次世代モデル開発を両立させる余裕がなくなった形です。
OpenAIはSoraの終了について「リソースを集中させ、人々に最大の価値をもたらす領域に注力するため」と説明しており、「見せ場から実利」への転換が明確になっています。
Disneyとの10億ドル契約も破棄
Soraの終了に伴い、大型の企業提携も白紙に戻りました。OpenAIは2025年12月にウォルト・ディズニーとの提携に合意しており、Disneyが10億ドルを投資してSoraを活用したコンテンツ制作や映像体験の強化に取り組む計画が進んでいました。
【過去の記事】ディズニー、OpenAIに10億ドル出資
しかし、実際の資金のやり取りは一度も発生しないまま、今回の発表で正式に契約が破棄されました。合意からわずか3ヶ月での破棄で、Soraの終了がそのまま提携解消の引き金となっています。エンターテインメント産業にとってもAIを活用したコンテンツ制作の計画見直しを迫られる出来事となりました。
Soraチームはロボット研究へ転換
Soraが終了しても、その開発チームが解散するわけではありません。OpenAIはSoraの研究チームを「世界シミュレーション研究」へ転換させると発表しました。これはロボットが現実世界でタスクをこなすための技術基盤を構築する取り組みで、動画生成で培った「物理世界を理解する」AIの能力をロボティクスに応用していく方向性です。
また、Soraに費やしていたGPU資源は、次世代AIモデル「Spud(スパッド)」の開発・運用に充てられる見込みです。Spudは「数週間以内に公開予定」とAltman CEOが社員に伝えており、ChatGPTの後継となる重要なモデルとして位置づけられています。
まとめ
SoraはOpenAIがAI動画生成の可能性を広く示した象徴的なサービスでした。しかし企業向け市場での競争が激化する中、GPU資源の集中と次世代モデル開発を優先した結果、わずか6ヶ月での終了という結論に至りました。Disneyとの10億ドル提携が白紙に戻ったことも含め、OpenAIが「話題性より実利」を選んだ転換点として記憶される出来事となりそうです。