ChatGPT、回答中でも「待った!」 指示の途中修正が可能に
OpenAIは、対話型AI「ChatGPT」に画期的な新機能を追加したことを発表しました。これにより、AIが回答を生成している最中でも、ユーザーがその処理を中断し、指示の内容を追加・修正できるようになります。これまで複雑な指示では「最初からやり直し」が必要だった手間がなくなり、AIとの対話がよりスムーズになりそうです。
ChatGPTの新機能のポイント
- AIの回答を「待った!」、途中で指示変更OK。
- 「やり直し」が不要に。作業を中断せず修正・追加が可能。
- 複雑な調査(ディープリサーチ)や、高性能モデル(GPT-5 Pro)利用時に特に便利。
AIの回答中に「指示変更」が可能に
今回のアップデートで最も注目すべき点は、AIが回答を生成している「途中」で、リアルタイムに指示を変更できるようになったことです。
これまでの課題:「やり直し」の手間
従来のChatGPTでは、一度指示を送信すると、AIが回答をすべて生成し終わるのを待つ必要がありました。
例えば、「日本の歴史について市場調査レポートを作成して」と指示した後に、「あ、競子A社の分析も加えてほしかった」と思い付いたとします。この場合、ユーザーは一度「停止」ボタンを押してから、指示全体を書き直して「日本の歴史と競合A社の分析を含む市場調査レポートを作成して」と、最初からやり直す必要がありました。
新機能:「更新」ボタンで途中修正
新機能では、AIがレポートを作成している最中でも、ユーザーが「更新(Update)」ボタン(サイドバーに表示されるとのこと)を押すことで、新しい指示を追加できます。
AIはそれまでの作業内容を保持したまま、追加された「競合A社の分析も加えて」という新しい要求を反映させ、レポート作成を続行・調整します。これにより、時間のかかる作業の「やり直し」がなくなり、大幅な効率アップが見込めます。
ディープリサーチや高度なタスクがよりスムーズに
OpenAIによると、この機能は「ディープリサーチ(詳細な調査)」や、より高度なタスクで特に役立つとされています。AIが大量の情報を分析・生成している間に、ユーザーは次の指示を考えたり、生成されている内容を見て軌道修正したりと、より柔軟な使い方が可能になります。
最上位モデル「GPT-5 Pro」での効果
また、今回の発表では「GPT-5 Pro」というモデル名にも言及されています。これは、現在標準で提供されている「GPT-5」よりもさらに高度な推論やコーディング能力を持つ、最上位のAIモデル(主に有料プラン向け)と見られます。
こうした高性能モデルによる複雑な処理は、完了までに時間がかかることが多いため、今回の「途中修正」機能は、Proモデルのユーザーにとって特に恩恵の大きいアップデートとなりそうです。
まとめ
ChatGPTに「待った!」をかけて指示を修正できる新機能は、AIとの対話における「もどかしさ」を解消する大きな一歩です。AIが私たちの指示をより柔軟に理解し、作業を調整してくれることで、AI活用はさらに次のステージへと進むことになるでしょう。