Google、写真を言葉で探す
「海辺で撮った夕焼けの写真」「犬がボールを追いかける場面」。撮影日やファイル名を忘れても、覚えている内容を言葉にして探せたら便利です。
Googleが2026年10月6日に発表したEmbeddingGemma 2は、そんな検索をスマホなどの端末内で動かすためのAIモデルです。体験の入り口は、端末で動くAIを試せるアプリ「Google AI Edge Gallery」で、写真・動画を探す機能と、動画内の場面を見つける機能が加わりました。
【出典元】EmbeddingGemma 2(Google)/Google AI Edge with EmbeddingGemma 2(Google Developers Blog)
写真や動画の中身を言葉で探せる
Google AI Edge Galleryは、端末で動くAIを体験・評価するためのアプリです。今回公開されたのは、開発者向けのモデルと、それを使った検索のデモです。Googleフォトに新機能が加わったわけではありません。まずはGalleryで、新しい探し方を試せる段階です。
基盤のEmbeddingGemma 2は、文章、画像、動画、音声を同じ仕組みで扱えます。モデルの規模は7億4,000万(740M)パラメータです。パラメータはAIの内部で使う数値の数で、アプリの容量や必要なメモリ量とは別のものです。初代の文章中心の検索から、探せる素材の種類が広がりました。
Galleryで試せる2つの検索
追加された機能は2つです。
| 機能名 | 探せるもの | 使い方 |
|---|---|---|
| Instant Media Search | 写真・動画 | 自然な言葉や見本の画像で検索。入力するたびに候補が更新される |
| Video Moments Finder | 動画内の場面 | 動画を選び、見たい場面を言葉で指定。条件に近い時刻を示す |
日本のApp Storeでは、後者は「Video Moment Finder」と表記されています。
写真を探すなら言葉を足していく
アプリに用意されたサンプル画像でも試せます。旅行写真なら「海」から始めて、「夕焼けの海」「砂浜に並んだ椅子」と、覚えている特徴を足していく探し方が考えられます。これは使い方の例で、必ず目当ての写真が見つかるわけではありません。
撮った時期があいまいなときや、似た構図の写真を集めたいときに役立ちそうです。
動画の場面は時刻で教えてくれる
動画を選んで「子どもが笑っている」のように場面を言葉で指定すると、条件に近い場面の時刻を示します。Googleの説明では、音声の文字起こしや説明文の生成を挟まずに、映像そのものから探します。
長く撮った動画を最初から見直す手間を減らせます。候補の時刻に移動したら、前後も再生して確認してください。
検索AIは回答を書くAIと別物
EmbeddingGemma 2が担当するのは、素材の特徴を「比べられる数字」に変える処理です。これを埋め込みと呼びます。図書館で、似た内容の本を近くの棚に置くようなイメージです。
「海辺の夕焼け」という検索文と、近い特徴の写真を結びつけて、候補を並べます。写真のファイル名に「海」や「夕焼け」と書いておく必要はありません。文章と写真のように、形式が違う素材をまたいで探すことを「クロスモーダル検索」といいます。
一方、「旅行の思い出を文章にして」と頼んで新しい文を書くのは、生成AIの仕事です。検索結果に出たことと、内容が正しいことは別です。候補の写真や動画は、自分の目で確かめてください。
試すならサンプル画像から
入手先は、公式のGoogle Playと日本のApp Storeです。以下は公式の機能説明をもとにした進め方で、実機での検証結果ではありません。
- 対応条件を確認する:公式案内ではAndroid 12以降、iOS 17以降です。条件を満たしても、処理速度は機種によって変わります
- 最新版を入れて準備する:アプリの案内に従い、必要なモデルをダウンロードします。最初の準備には通信環境と空き容量が必要です
- 写真検索で違いを見る:まずサンプル画像を使い、短い言葉から特徴を足していきます。どの候補が上に来るかを比べます
- 短い動画で場面検索を試す:内容を把握している動画なら、見つかった位置や見落としを判断しやすくなります
Galleryは開発中のベータ版です。新機能が見当たらない場合は更新状況を確認してください。機種の対応可否や不具合は、公式のGitHubで確認できます。
端末内処理でも確認したい注意点
Googleは、今回の検索処理を端末内で実行でき、ネット接続なしでも使えると説明しています。写真をクラウドに送ってAIに処理させずに済むのは大きな利点です。ただし、モデルの準備やアプリの更新まで通信が不要になるわけではありません。
また、App Storeのプライバシー表示には、IDや診断情報、使用状況などを収集する可能性が記載されています。AIの検索処理が端末内でも、アプリのデータ送信がゼロという意味ではありません。写真へのアクセス範囲を確かめたうえで、仕事の機密資料や他人の個人情報を使った試用は避けましょう。
まとめ
今回の注目点は、保存した写真や動画を、覚えている内容から探せることです。まずはサンプル画像で検索語を変え、次に短い動画で場面の探しやすさを確かめてください。この順番なら、大切なデータを大量に読み込ませる前に、自分に役立つかを判断できます。本記事は2026年10月7日時点の公式情報に基づいています。機能や対応条件は更新される場合があります。