Visaが描く未来のショッピング AIエージェントが自動で商品を購入・決済

Visaは2025年4月、米サンフランシスコで開催されたイベント「Global Product Drop」で、新しい買い物の仕組み「Visa Intelligent Commerce(エージェント型コマース)」を発表しました。AIエージェントがユーザーの代わりに商品を探し、購入から決済まで自動で行う仕組みで、買い物の常識を変える可能性があります。
AIが代理で買い物をする時代へ
エージェント型コマースでは、ユーザーが一度設定をすれば、AIが自律的に動きます。たとえば「毎週の食材注文」や「旅行の航空券予約」、「家族へのギフト選び」まで、幅広い買い物をサポート。ユーザーは細かな操作をする必要がなくなり、手間や時間を大きく減らせます。
安心して任せられる仕組み
AIが決済を担うとなると不安もありますが、Visaはセキュリティに重点を置いています。カード情報は「トークン化」され、実際の番号がAIや外部に渡ることはありません。また、利用者は予算上限や購入先のカテゴリをあらかじめ設定でき、その範囲でAIが判断して購入を進めるため、衝動買いのリスクも抑えられます。
強力なパートナーシップ
この仕組みはVisa単独ではなく、世界の有力企業と連携して展開されます。AI分野ではAnthropic、IBM、Microsoft、OpenAI、Mistral AIなどと、決済やサービス領域ではStripe、Samsung、そしてアジアではGrabやTencentとも協力。幅広いエコシステムを築くことで、グローバル展開を目指しています。
まとめ
Visaが提案する「エージェント型コマース」は、私たちの買い物体験を大きく変える可能性を秘めています。AIが代理で買い物をする未来は、すでに現実のものとなりつつあるのです。
しかしながら、エージェント型コマースが広がれば、買い物の負担が軽くなり、利便性は大きく向上するでしょう。一方で、自動購入における消費者保護や、プライバシー、規制との整合性といった課題も残されています。