株式会社中西製作所とpluszero、学校給食向けAIシステム3種の特許を出願

2025年7月17日、株式会社中西製作所(大阪市)と株式会社pluszero(東京都)は、学校給食業務の効率化を目的とした下記3種類のAIシステムについて特許出願を行いました。
- コンテナ積載最適化システム
- 配送最適化システム
- 図面管理システム
出典・参考:中西製作所
開発の背景
学校給食の現場では、衛生管理基準を守りながらも、地域や学校ごとに異なるニーズや人手不足に対応する必要があります。効率的な調理・配送・配膳の仕組みが求められる中、中西製作所とpluszeroはAI技術を活用し、下記の3つの課題解決を目指しました。
① コンテナ積載最適化システム
課題
給食に使用する食器や食缶をコンテナやカートに積載する作業は、学校ごとに必要台数を計算する必要があり、従来は人力で行われていたため時間と手間がかかっていました。
解決方法
食器や食缶の形状・数量、児童数・クラス数を入力すると、AIが最適な積載方法をシミュレーションし提案。食缶との組み合わせも考慮し、効率的な積載を支援します。
特許ポイント
積載位置と方法をAIが自動で提案する技術。
② 配送最適化システム
課題
給食は「調理後2時間以内の喫食」が必要条件。従来は地図を見ながら人力で配送ルートを設計していましたが、効率的なルート設定やトラック・運転手数の最小化が難題でした。
解決方法
AIが施設の場所、給食時間、コンテナ数などをもとに、最適な配送ルートとスケジュールを策定。トラック数と人員を削減可能に。
特許ポイント
配送計画に必要な複数の条件を考慮してAIが自動でルート設計する技術。
③ 図面管理システム
課題
過去30年以上にわたる給食センター設計図面はファイルサーバーに蓄積されていたものの、検索性が低く、類似案件を探すのが困難でした。
解決方法
図面の形状や設備配置をAIが解析・タグ化。キーワードでの検索が可能となり、約75万枚の過去図面を瞬時に分類・活用できるように。
特許ポイント
図面中のテキスト位置と意味をAIが解析し、図面の特徴を理解・分類する技術。
今後の展開
中西製作所は、厨房業界で初めて2023年にDX認定を取得。「いただきますの未来を作る。」をスローガンに、今後もAIやIT技術を活用し、業務効率化と人手不足の解消に貢献していくとしています。