介護施設にAIカメラ導入。転倒事故を映像で記録し職員の負担軽減

介護施設にAIカメラ導入。転倒事故を映像で記録し職員の負担軽減,アイキャッチ

奈良県奈良市の特別養護老人ホーム「Lino」を運営する社会福祉法人史明会は、介護現場の安全性と効率化を目的に、コニカミノルタが開発した「HitomeQケアサポート」を導入した。
カメラ型AIセンサーを活用し、入居者の転倒事故を映像で記録・通知する仕組みを取り入れたことで、事故原因の特定や職員の負担軽減につなげている。

【参照】
https://www.kankeiren.or.jp/iot/list.html
https://www.kankeiren.or.jp/iot/pdf/iot79.pdf

◼︎介護現場が抱える課題

同施設ではこれまで入居者の転倒原因を特定することが難しく、特に認知症利用者はナースコールが使えないため、職員は頻繁に居室を訪れる必要があった。結果として、不要な訪室が業務負担を増やしていた。

◼︎AIセンサーで状況を自動通知

導入されたHitomeQケアサポートは、居室内の動きをカメラ型AIセンサーで検知。転倒が発生すると映像が自動的に記録され、職員のスマートフォンへ通知される。これにより、転倒前後の状況を映像で確認でき、家族への説明や再発防止策の検討に役立てられている。

◼︎明確な成果と効果

システム導入後、不要な訪室は従来の5分の1にまで削減。業務効率が改善されただけでなく、転倒事故の原因分析にもつながった。さらに、現場スタッフとともにDX展示会を回り、新しいツールの導入目的を共有したことが、スムーズな運用につながったという。

◼︎今後の展開

史明会は今後、HitomeQケアサポートで得られるデータを活用し、入居者の睡眠指標や健康状態の可視化を進める方針だ。これにより、ケアの質を一層高め、入居者の生活の安心・安全を支える体制を強化していく。

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