Googleツール連携を誰でも簡単に「Google Workspace Flows」で業務自動化
GoogleスプレッドシートやGmail、Google Chatなど、多くの人が仕事で使う「Google Workspace」。このGoogle Workspace上で行う面倒な定型作業を、AIの力で自動化できる新機能「Google Workspace Flows」のベータ版(試用版)が、ついに日本の一部ユーザーにも提供され始めたようです。
「あのデータをスプレッドシートにコピーして、Aさんにチャットで報告する」といった日常の繰り返し作業を、もう人がやらなくても良くなるかもしれません。
「Google Workspace Flows」とは、一連の作業を自動化できるツール
「Google Workspace Flows」(以下、Flows)は、プログラミングの知識がなくても、Google Workspace内の様々なアプリを連携させ、一連の作業(ワークフロー)を自動化できるツールです。
これまでは専門知識が必要だったり、別のツールを使ったりする必要があった「自動化」を、Google Workspaceの中で手軽に実現できるのが最大の特徴です。
Flowsが注目される理由
このツールが特に注目されているのは、GoogleのAI「Gemini」が搭載されている点です。
従来の自動化ツールでは、「もし(A)が起きたら、(B)を実行する」といったルールを、自分で一つひとつ設定する必要がありました。
しかしFlowsでは、AIエージェント(AIの助っ人)に対して、「やりたいこと」を自然な言葉(日本語)で指示するだけで、AIがその意図を理解し、必要なワークフロー(作業の流れ)を自動で組み立ててくれるのです。
- 従来の自動化ツール: 自分で設計図を引く必要がある
- Flows: AIに「こんな感じのものが欲しい」と伝えるだけで良い
これにより、開発者ではない現場の一般ユーザー(「市民開発者」とも呼ばれます)が、自分たちの業務を自分たちで効率化していくことが可能になります。
日本でのベータ版提供開始で何が変わる?
2025年4月の発表(Google Cloud Next ’25)以来、海外での情報が中心でしたが、今回日本国内でもベータ版が利用できるようになったことで、日本の企業もこの新しい自動化機能を実際に試すことができるようになりました。
現在は、Gemini for Google Workspaceのライセンスを持つ企業など、一部のユーザーから順次利用可能になっているとみられます。
Flowsでどんな作業が自動化できる?(活用例)
Flowsを使うと、これまで手作業でやっていた「アプリ間の面倒な連携」を自動化できます。
| きっかけ(トリガー) | 実行される処理(アクション) |
| Googleフォームで「タスク依頼」が送信されたら | 1. スプレッドシートの管理表に内容を転記 2. 担当者のChatスペースに通知する 3. 担当者のGoogle Tasksにタスクを登録する |
| 新しいメンバーがChatスペースに参加したら | 1. 「ようこそ」メッセージを自動送信 2. 必読ドキュメント(Googleドキュメント)のリンクを送る |
| 毎日決まった時間になったら(例:午後5時) | 1. スプレッドシートからその日の売上データを取得 2. 要約したレポートを作成し、営業報告Chatスペースに投稿する |
【Aibrary編集部の感想】
イメージとしては、「Aのときに、Bであれば、Cを行う」といったシンプルなタスクでの活用に向いています。
今後、ファイルのアップロード対応やサードパーティ連携、Google Apps Script連携も視野に入れているそうです。GAS連携ができれば自由度があがりますので、今後の展開に期待です。
アクセス方法について
Google公式情報を見ると、次のようにあります。
Workspace Flows にアクセスできないのはなぜですか?
Workspace Flows を使用するには、管理者がGoogle Workspace Alpha 向け Geminiへのアクセスを許可する必要があります。
Workspace Flows にアクセスできない場合は、管理者にご確認ください。Workspace Flows とその機能へのアクセスは、Gemini Alpha にリリースされてから 1 ~ 2 週間かかる場合があります。
その他にも、Xでは次のような実例も見受けられます。
まとめ
「Google Workspace Flows」は、AIの力を借りて、面倒な定型作業を誰でも簡単に自動化できるようにするツールです。
これまで「自動化は難しそう」と感じていた人でも、日本語で指示するだけでAIが手伝ってくれるため、業務効率化のハードルが大きく下がります。
日本でのベータ版提供が始まったことで、多くの企業で「Google Workspace」の使い方がさらに進化しそうです。自分の職場でも使えるようになっていないか、IT担当者に確認してみるのも良いかもしれません。