Google、AI学習拠点「Google Skills」公開 GeminiとDeepMindを統合
Googleは2025年10月10日(米国時間)、AI時代の人材育成を目的とした新しい学習プラットフォーム「Google Skills」を発表した。
Google Cloud、Google DeepMind、Grow with Googleなどに分かれていた約3,000のコースやラボを一つに集約し、AIやクラウド技術を誰でも学べる“新しいホーム”として提供する。
【参照元】Google Skills: Google AI の学習などの新たなプラットフォーム
AI学習を一元化、無料クレジットで体験も可能に
Google Skillsは、初心者からエンジニア、経営層まで、あらゆるスキルレベルの学習者を対象とした統合型プラットフォーム。
これまでGoogle Cloud Skills Boostなどで提供されていた教材や認定資格講座を統合し、最新のAI関連コースを追加している。
Googleは公開に合わせ、150学習クレジットを無料配布し、誰でもすぐに新しいプラットフォームを体験できるようにしている。
Geminiを使ったAI学習が可能に
注目は、Googleの生成AI「Gemini」を活用した新しい学習体験だ。
「Gemini Code Assist」機能を使うと、Google Skills内でAIに支援されながらコードを書き、アプリ開発を学ぶことができる。
現在20以上のハンズオンラボで利用でき、今後は対応範囲が拡大する予定。
また、Geminiを使った開発スキルを証明する新しい「スキルバッジ」も登場。
AI時代に必要な実践的スキルを、学習と同時に可視化できる仕組みだ。
学習を“楽しく続けられる”仕組みも導入
Google Skillsでは、学習を継続しやすくするためにゲーミフィケーション機能も追加された。
ポイントで競う「リーグ」、成果を共有できる「実績バッジ」、連続学習を促す「ストリーク(連続記録)」など、ゲーム感覚でスキルアップを続けられる。
さらに、チーム単位で学習進捗を管理できるパーソナライズ機能や、社内リーダーボード、進捗レポートの可視化機能も強化。
企業が社員のスキル育成を体系的に行える環境が整っている。
新プログラム「GEAR」で100万人の開発者を支援
同時に発表された「Gemini Enterprise Agent Ready(GEAR)」プログラムは、新しいAIプラットフォーム「Gemini Enterprise」でAIエージェントを構築・運用する開発者を支援する取り組み。
Googleはこのプログラムを通じて、100万人の開発者にAIエージェント開発スキルを提供することを目指す。
参加者はGoogle Skills内でスキルバッジを獲得でき、実務的な経験を積める。
学んだスキルが“採用”につながる仕組みも
Googleは、学習成果をキャリアに直結させる新しい試みも進めている。
米金融企業Jack Henryとのパートナーシップでは、Google Cloudの認定資格を持つ人が、同社の採用面接に直接進めるようになった。
スキル証明を通じて、企業と人材がつながる“スキルベース採用”を実現するモデルだ。
AI時代の学びをすべての人に
Googleによると、技術学習リソースを導入した企業の74%が生産性の向上を実感し、71%が収益増加を報告しているという。
Google Skillsは、こうした学習効果をより多くの人が享受できるように設計されている。
Googleは「AIが社会を変えるスピードに合わせて、誰もが学び、成長できる場所をつくる」としており、今回の発表はその第一歩といえる。
AI時代に必要なスキルを身につけたい個人にも、チーム強化を図る企業にも、Google Skillsは新たなスタンダードとなりそうだ。