日本が支える中東・アフリカのAI教育拠点
エジプト日本科学技術大学(E-JUST)は、2009年に日本とエジプトの政府間協力によって誕生した、中東・アフリカ地域で最高峰を目指す国立大学です。
日本の「ものづくり」の精神や、実験・実習を重視する教育スタイルを取り入れ、次世代のAIエンジニアを育成する拠点として世界中から注目を集めています。
【参照元】
・エジプト日本科学技術大学公式HP
・資料3-5エジプト日本科学技術大学(独立行政法人日本国際協力機構)
国内の有力12大学が支える強力な体制
この大学の運営と教育をバックアップしているのは、日本の「大学コンソーシアム」です 。以下の12の支援大学が、現地の教員と協力して質の高い授業を提供しています。
| 分類 | 主な支援大学 |
| 国立大学 | 九州大学、東京工業大学、京都大学、東北大学、名古屋大学、大阪大学、北海道大学、筑波大学、広島大学 |
| 私立大学 | 早稲田大学、慶應義塾大学、立命館大学 |
これらの大学から派遣された教員が指導にあたることで、日本国内と同等の高度な教育がエジプトにいながら受けられる環境が整っています 。
実践力を磨くAI・データサイエンス教育
E-JUSTの工学部では、最新のテクノロジーに特化したカリキュラムが組まれています。特にコンピュータサイエンス・工学専攻の中には、現代の最重要技術である「人工知能・データサイエンス(AID)」の専門コースが設置されています。
- AIの基礎から応用まで
機械学習や深層学習(ディープラーニング)といった基本技術はもちろん、自動運転システムへの応用まで幅広く学びます。 - 最新トレンドの導入
大規模言語モデル(LLM)や生成AIの活用、さらにAIの倫理や信頼性についてもカリキュラムに取り入れられています。 - 実験重視のスタイル
教科書での学習だけでなく、実際にプログラムを動かし、課題を解決する力を養う実験・演習が重視されています。
このような実践的な学びを通じて、卒業生はエジプト国内だけでなく、アフリカや中東全体のデジタル変革をリードする人材として活躍しています。
宇宙とAIの融合で生まれる新技術
E-JUSTは学術的な研究にとどまらず、日本の民間企業とも積極的に連携しています。2025年には、日本のスタートアップ企業である株式会社スペースデータと、宇宙技術に関する連携を強化する覚書を締結しました。
この連携では、人工衛星が取得したデータとAI技術を組み合わせ、現実の世界をデジタル空間に再現する「デジタルツイン」技術の研究が進められています。
砂漠地帯の都市開発や農業の効率化など、AIを活用した新しい社会の仕組み作りが、エジプトの地で始まっています。
まとめ
エジプト日本科学技術大学(E-JUST)は、日本の教育ノウハウと現地の優秀な人材が融合した、AI教育の最前線です。
12の国内大学による手厚い支援と、最新のAIカリキュラム、そして民間企業との産学連携により、世界をリードするAIエンジニアが次々と誕生しています。
日本とエジプトの絆が生んだこの学び舎は、今後もアフリカ・中東地域のテクノロジー発展をけん引する重要な存在であり続けるでしょう。