若者の7割、AIを「疑い」つつも理解して活用

若者の7割、AIを「疑い」つつも理解して活用

【画像】Aibrary公式Pinterest

電通が発表した「第4回 AIに関する生活者意識調査」から、生活者とAIの新たな関係性が見えてきました。
特に15〜19歳の若年層は、AIの誤情報を数多く経験しながらも、自らファクトチェックを徹底して賢く使いこなしています 。
効率化のメリットを享受する一方で、周囲の目を気にする独特な心理や、購買における「納得感」の正体を紐解きます。

◆記事のポイント

  • 若者の高いAIリテラシー
    15〜19歳の約7割が自ら情報の裏付けを行い、不完全さを理解して活用する現状です。
  • 納得感を生む論理的な推奨
    理由の明確さが若者の購買を後押しし、AIは意思決定を支えるインフラとなります。
  • 効率化と手抜きへの不安の混在
    学習効率の向上を実感する一方、周囲の評価を気にする心理的な葛藤が存在します。

【出典元】電通調査レポート:AI時代の情報・行動選択、若年層で顕著 15~19歳の7割超がAI情報のファクトチェックを実施 若年層の3人に1人がAI情報を参考に商品購入を経験

若年層の7割が徹底。情報の裏付け確認

今回の調査で明らかになったのは、若年層が全世代の中で最もAIの情報を「疑っている」という事実です。AIの回答が間違っていた経験を持つ15〜19歳は約8割(79.9%)に達しており、全世代で最多となっています 。

  • AI情報への信頼度
    15〜19歳でAIの情報を信頼している人は60.0%に留まり、20代・30代(7割超)と比較して最も低い数値です。
  • ファクトチェックの習慣
    AIで得た情報に対して自分なりに裏付け(ファクトチェック)を行う人は、15〜19歳で70.7%にのぼり、全世代で最も高い実施率を記録しています。

若者はAIを盲信するのではなく、「間違いを犯す可能性がある不完全なツール」として捉え、自らの手で情報の正確性を確かめるリテラシーを身につけています 。

AIが提供する「納得感」と購買行動の変化

そして、AIが単なる検索の代わりではなく、消費者が納得して物を選ぶためのサポート役へと進化しています。15〜34歳の若年層では約35%(3人に1人)がAIの推奨をきっかけに商品を購入しており、全体の26.3%を大きく上回っています 。

消費者が購入に至る「納得感」の正体は、以下の3つの要素に集約されます。

納得感を生む要因調査結果(全体)内容の詳細
推奨理由の明確化49.1%「なぜそれがおすすめなのか」という論理的な根拠を重視
客観的な評価41.4%機能や性能の比較が容易になり、自己判断がしやすくなった
課題の解決40.5%自分の悩みや課題に直結した解決策として提示される

単に「おすすめ」されるだけでなく、AIがコンシェルジュのように理由を解説することで、利用者は自分の判断に自信を持って購入を決めています 。

効率向上と「手抜き」への不安が混在する心理

AIは仕事や学習の効率を劇的に高めていますが、その一方で独特な社会的視線を気にする層も存在します。

  • 仕事と勉強の効率化
    一般企業に従事する人の63.4%が「仕事の効率」向上を実感し、15〜19歳の70.0%が「勉強の効率」が上がったと回答しています 。
  • 余裕の創出
    管理職の55.6%が仕事に「余裕」ができたと感じる一方、15〜19歳の63.4%も学業に余裕が持てるようになったと答えています 。

しかし、AIで効率化することへの懸念も浮き彫りになりました。AIを利用する際に「楽をしていると思われる」ことを心配している人は、15〜19歳で63.4%に達しています。
効率化のメリットを十分に理解しながらも、周囲からの評価や「手抜き」という偏見を敏感に察知している実態がうかがえます。

まとめ

電通の調査結果は、AIがもはや特別な技術ではなく、日常的な「意思決定のインフラ」として定着したことを示しています。
若年層は、AIの不確実さを理解した上で情報を精査し、納得感のある根拠を求めることで、実利的にAIを活用しています。
今後は、AIによって生み出された「余裕」をどう評価し、より価値のある活動にどう繋げていくかという、社会側の意識の変化も重要になるでしょう。

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