Claude Code「Skills」が変えるAI活用
AIとチャットをしていて、「前も教えたのにな……」と思ったことはありませんか? 例えば「返事は短くして」「表形式でまとめて」といった、自分なりの好みのことです。AIを使うたびに、こうした「いつもの指示」を打ち込むのは意外と面倒なもの。
そんな手間をまるごと解消してくれるのが、Anthropic社の「Agent Skills(エージェント スキル)」です。 これは、開発者向けツール「Claude Code」で使える機能で、AIにあなたの「こだわり」や「仕事のルール」をマニュアル(指示書)として覚えさせておけるもの。一度教えておけば、次からはAIが自分で判断して動いてくれるようになります。
注意: この機能は「Claude Code」というコマンドラインツール専用です。ブラウザ版やモバイルアプリのClaudeでは現時点では利用できません。
【参考】Claude をスキルで拡張する
AIがあなたの「マニュアル」を自習する仕組み
Claude Skillsを一言でいうと、「AI専用の業務引き継ぎノート」です。 新人の後輩に「うちはこういうルールで仕事をしてね」とノートを渡すように、AIにもルールを渡しておくことができます。
1. 自分で気づいて動いてくれる
これまでのAIは、人間が「この機能を使って!」と命令しないと動きませんでした。 しかし、Claude Skillsはとても気が利きます。
あなたが「報告書を作って」と頼むと、AIが自分の持っているマニュアルの中から「あ、あの報告書ルールを使う時だな」と自分で気づいてくれます。 そして、そのルールに沿って自動的に作業を進めてくれるので、毎回同じ指示を繰り返す必要がありません。
2. 賢く「節約」してサクサク動く
たくさんのマニュアルをAIに渡すと、以前は「情報が多すぎて頭がパンクする」ことがありました。
Claude Skillsは「必要なときだけページを開く」という賢い読み方をします。
普段はマニュアルのタイトルだけを眺めておき、出番が来たときだけ中身を詳しく読み込むのです。 このおかげで、AIの動きが重くならず、いつでもスムーズにやり取りができます。
どんなときに便利?よくある活用シーン
「これって私の仕事にも使える?」という方のために、身近な例を3つご紹介します。
指定のフォーマットで文章を作る
「ブログの下書きを書いて」と頼むだけで、あらかじめ決めておいた「自分流の構成」や「話し言葉のトーン」を自動で守ってくれます。毎回「です・ます調で、3つの見出しを作って」と書く必要はありません。
社内ルールに沿ったチェック
資料を読み込ませるだけで、「社外秘の情報が入っていないか」「専門用語が正しく使われているか」などを、社内のベテラン社員のように細かくチェックしてくれます。
AIの「やりすぎ」を防いで安全に
「ファイルを勝手に消されたくない」「中身を見るだけでいい」というときは、行動を制限したマニュアルを作れます。AIが指示以上のことをしないようブレーキをかけられるので、大事なデータを扱うときも安心です。
チームみんなで「同じ賢さ」を共有できる
Claude Skillsのすごいところは、作ったマニュアルを他の人と共有できる点です。
| スキルの種類 | どこに置く? | こんなときに便利! |
|---|---|---|
| 自分用 | 自分のPC内 | 自分だけの文章の好みや、いつもの書き方を登録 |
| チーム用 | プロジェクトフォルダ | チーム全員が同じルールで資料を作れるようにする |
| プラグイン | 拡張機能として配布 | 会社全体や複数プロジェクトで同じスキルを使う |
誰か一人が「最高に使いやすいマニュアル」を作れば、チーム全員のAIがその瞬間から「プロの動き」をしてくれるようになります。
【応用編】さらに細かく使い分ける「Sub Skills」という考え方
基本的なSkillsの使い方に慣れてきたら、さらに一歩進んだ使い方もあります。実際にClaude Codeを使い込んでいるユーザーの中には、「Sub Skills」という独自の概念を取り入れている人もいます。これは、大きなSkillの中に、さらに細かいバリエーションを持たせる方法です。
僕はClaude CodeにSkills導入するだけでなく、Sub Skillsという概念をつくり、Sub Skillsを開発、利用しています。
例えばスライド作成Skillsがあった時に、個社ごとのフォーマットや、資料の種類(成果報告、勉強会、提案資料など)をSub Skillsにまとめています。…— Takato Honda 本田崇人 (@t_honda) February 16, 2026
例えば「スライド作成」という大きなSkillがあったとして、その中に、
- 会社Aのフォーマット用
- 成果報告用
- 勉強会用
- 提案資料用
といったSub Skillsを用意しておくイメージです。
まとめ:AIは「お願いする」から「育てる」時代へ
これまでのAIは、その場限りでお願いをする「道具」でした。 しかし、Claude Skillsを使えば、AIはあなたの好みや仕事のスタイルを理解する「自分専用のパートナー」に育っていきます。
- 自動で判断: 文脈を読んで、最適なルールをAIが自分で選んで適用してくれる。
- 動作が軽い: 必要な情報だけを読み込むから、ずっとサクサク動く。
- 使い回せる: 一度作ったルールは、別のプロジェクトでも再利用できる。
「何度も同じ説明をするのはもう嫌だ!」と思ったら、それはAIにマニュアルを渡すタイミングかもしれません。まずは小さな「いつものルール」から、AIに教えてみませんか?