Google Chromeに【10のAI新機能】追加へ 情報整理やセキュリティも

Google Chromeに【10のAI新機能】追加へ 情報整理やセキュリティも,アイキャッチ

Googleは、人気ブラウザ「Chrome」にAIを活用した10の新機能を追加すると発表しました。

◆追加される10の新機能一覧

Gemini in Chrome:複雑な情報を整理し、要約や履歴検索も可能に
Agentic Browsing:予約や注文などのタスクをAIが自動で代行
AIテーマ生成:指示に応じてブラウザの見た目を自由にデザイン
Help me write:レビューやフォーム入力をAIが提案・補助
ページ理解と質問サポート:記事の要約や関連質問の提示
OmniboxからのAI検索:アドレスバーで自然な文章による検索が可能に
Googleサービスとの連携強化:YouTubeやカレンダー、MapsをChrome内でシームレスに利用
セキュリティ強化:Gemini Nanoによる詐欺サイトや偽警告の検知
通知と権限リクエストの抑制:不要な通知やアクセス要求をAIが制御
パスワード保護:漏洩時にワンクリックで安全に変更できる新機能

これらの機能はまず米国の英語版デスクトップから提供が始まり、今後世界中に順次拡大していく予定です。普段のブラウジング体験が、より快適で安心できるものへと変わっていきます。

【参照元】Go behind the browser with Chrome’s new AI features

目次

①Gemini in Chrome:複雑な情報をわかりやすく整理

Googleは、最新のアップデートで「Chrome」に生成AIモデル「Gemini」を導入しました。これにより、インターネット上の複雑な情報も理解しやすく整理できるようになります。

ページ内容を一目で把握

長い文章や専門的な解説に出会ったとき、どこに重要な情報があるのか迷うことはありませんか?「Gemini in Chrome」では、ページ全体の内容をAIが要約し、要点を短くまとめて表示します。全文を読む前に大まかな内容を把握できるのが大きな特徴です。

複数ページの比較も簡単に

調べ物をしていると、同じテーマのページをいくつも開いて比較することがあります。従来は自分で見比べる必要がありましたが、Geminiなら複数ページをまたいで情報を整理し、共通点や違いをわかりやすく示してくれます。

過去に見たサイトを呼び出せる

さらに便利なのが「履歴検索」の機能です。「先週見た机の通販サイトをもう一度見たい」といったあいまいな記憶でも、AIに聞けばすぐに探し出してくれます。これまでのように長い履歴をさかのぼる必要はありません。

調査・学習の効率を大幅に向上

ニュースや専門記事を理解したいとき、比較検討をするとき、過去に調べた内容をもう一度確認したいとき。こうした場面で「Gemini in Chrome」は、情報整理の手間をAIに任せられる頼れるアシスタントになります。

②Agentic Browsing:AIがあなたの作業を代行

Chromeに追加される「Agentic Browsing」は、ネット上の細かな操作をAIが肩代わりしてくれる機能です。これまでユーザーが自分で行っていた予約や注文などを、自動化してくれます。

面倒な手続きを自動化

たとえば美容院の予約では、希望する日時や場所を伝えるだけで、AIが空き状況を確認し、予約フォームの入力を代行します。料理のレシピを探したときには、その材料をネットスーパーで自動的にカートに入れてくれるといった使い方も可能です。

ユーザーがいつでも制御可能

AIが勝手に動いてしまうのではと心配する必要はありません。Agentic Browsingはユーザーの指示で動き、不要になればすぐ停止できます。あくまで主体はユーザーであり、必要なときにだけアシストしてくれる安心設計です。

③AIテーマ生成:ブラウザの見た目を自由にカスタマイズ

Chromeでは、生成AIを使ってブラウザのテーマを自分好みに作れる機能が追加されます。これまでのように用意されたデザインを選ぶだけでなく、AIに指示してオリジナルのデザインを楽しめるのが大きな特徴です。

Geminiがテーマを自動生成

好きな色や雰囲気を伝えると、AIモデル「Gemini」がそのイメージに合わせたブラウザテーマを生成します。気分に合わせて背景を変えたり、仕事用・プライベート用で切り替えたりと、柔軟な使い方が可能です。

個性を反映したブラウジング体験

従来のシンプルな画面から一歩進み、より個性的なブラウジング体験ができます。自分だけのブラウザデザインを持つことで、作業の気分転換やモチベーションアップにもつながります。

④Help me write:フォーム入力や文章作成をAIがサポート

Chromeには、文章作成を助けてくれる「Help me write」という新機能が加わります。レビュー投稿やオンラインフォームの入力など、日常的なシーンで言葉に悩む時間を減らしてくれます。

レビューやコメントを自動生成

レストランのレビューや商品の感想を書くとき、「何を書けばいいのかわからない」と迷うことはありませんか?「Help me write」では、短い指示を与えるだけで、AIが文章の候補を提案。内容を調整すれば、そのまま投稿できます。

書き方に合わせた提案も可能

フォーマルな文章やカジュアルな文体など、状況に合わせた書き方をAIが提案します。たとえば仕事用の依頼文から、友人へのメッセージまで、さまざまなトーンに応じた文章をスムーズに作成できます。

⑤ページ理解と質問サポート:Webの内容をもっと深く理解

Chromeは、閲覧中のページに合わせてAIが理解を助ける新機能を追加します。長文や専門的な記事でも、ポイントを押さえながら効率的に情報を得られるようになります。

ページの要点をサイドパネルに表示

記事や解説ページを読む際、AIが重要な部分を抽出してサイドパネルに要約を表示します。ページを離れることなく、短時間で内容を整理して理解できます。

関連する質問を自動で提案

ページ内容をもとに「このことについてもっと知りたいですか?」といった追加の質問をAIが提示。気になる点を深掘りできるので、学習や調査の効率が大きく向上します。

⑥OmniboxからのAI検索:アドレスバーで高度な質問が可能に

Chromeのアドレスバー「Omnibox」がAI対応し、従来の検索よりも柔軟な質問ができるようになります。これにより、ブラウジングと検索がさらに一体化した体験が実現します。

複雑な質問にも対応

これまでの検索ではキーワードを入力する必要がありましたが、AI対応のOmniboxでは「週末に行けるおすすめの旅行プランは?」といった自然な文章で質問可能。検索のハードルが下がり、必要な情報をより直感的に探せます。

検索結果をよりわかりやすく

AIが情報を整理して提示するため、複数のページを開かなくても概要を把握できます。従来より少ない操作で知りたい情報にたどり着けるのがメリットです。

⑦Googleサービスとの連携強化:Chrome内でシームレスに利用

Chromeは、Googleの他のサービスとの連携がさらにスムーズになります。ブラウザを離れることなく、YouTubeやGoogleカレンダー、Googleマップなどを便利に活用できるようになります。

YouTubeの動画内検索も可能に

動画を最初から最後まで探さなくても、「この場面を見たい」とAIに伝えるだけで、目的のシーンにジャンプできます。学習動画や長尺コンテンツを視聴する際に役立ちます。

カレンダーやマップもスムーズに利用

予定の確認や場所の検索も、Chromeから直接操作できます。情報収集とスケジュール管理が一体化することで、作業効率が大幅に向上します。

⑧セキュリティ強化:AIが詐欺や不正アクセスから保護

Chromeには、軽量AIモデル「Gemini Nano」を活用した新しいセキュリティ機能が追加されます。これにより、従来のセーフブラウジングに加えて、より巧妙化する詐欺や不正表示を検出できるようになります。

典型的な詐欺パターンを検知

Gemini Nanoは、以下のような手口を自動で見抜いて警告を表示します。

  • パソコンに問題があると偽ってサポートを要求する「テックサポート詐欺」
  • 「ウイルスに感染した」と偽装する偽警告ページ
  • 存在しない景品をちらつかせて個人情報を狙う偽キャンペーン
    こうした危険なページをユーザーがうっかり開いてしまっても、AIが早い段階で異常を見つけてくれます。

リアルタイムで安全性を向上

Gemini Nanoはブラウザ内で動作するため、ページを開いた瞬間に検知が行われます。インターネット利用中の安全性を高めると同時に、サーバーにデータを送信せずに処理できる点も安心材料です。

⑨通知と権限リクエストの抑制:迷惑なポップアップを減らす

Chromeは、AIを活用して不要な通知やしつこい権限リクエストを減らす仕組みを導入します。これにより、快適で集中しやすいブラウジング環境が実現します。

不要な通知をAIが判別

一部のサイトは、アクセスするたびに通知の許可を求めてきたり、質の低い通知を大量に送ったりします。ChromeではAIがサイトの傾向を学習し、不要な通知を目立たないよう自動で抑制。ユーザーは重要な通知だけを受け取れるようになります。

権限リクエストの煩わしさを軽減

マイクやカメラ、位置情報のアクセスを求めるポップアップも、AIが必要性を判断して整理。信頼性の低いサイトからの過剰な要求を減らし、安心してブラウジングを続けられます。

実際の効果も確認済み

GoogleはすでにAndroid版Chromeで同様の仕組みを導入しており、迷惑通知を大幅に削減できたとしています。今回のアップデートにより、デスクトップ版でも同じ快適さを得られるようになります。

⑩パスワード保護:漏洩時にワンクリックで安全に変更

Chromeには、保存しているパスワードが漏洩した際にすぐ対応できる新機能が加わります。これにより、セキュリティリスクを素早く減らせるようになります。

漏洩を検知して通知

Chromeは定期的に保存済みのパスワードを確認し、既知の漏洩データベースと照合します。もし利用中のサービスでパスワードが流出していれば、ユーザーに通知してくれます。

ワンクリックで新しいパスワードに変更

対応しているウェブサイトでは、通知からそのまま「パスワードを変更」ボタンを押すだけで、新しいパスワードを生成・保存できます。従来のように自分でログインページを探して更新する手間は不要です。

セキュリティ対策をより身近に

パスワード漏洩は誰にでも起こり得るリスクですが、この機能によって素早く、安全に対応できるようになります。専門的な知識がなくても安心して使えるのが魅力です。

まとめ

今回のアップデートにより、Chromeは「情報を閲覧するブラウザ」から「AIを活用したパートナー」へと進化しました。
複雑な情報の整理やタスクの自動化、セキュリティ面での安心感など、日常のインターネット利用をより効率的で安全にしてくれます。

近い将来、日本語環境でも利用できるようになれば、学習や仕事、買い物などあらゆる場面で役立つことは間違いありません。Chromeを通じて、私たちのネット体験はさらに豊かでスマートなものになっていくでしょう。

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