Anthropic、【AIチームを5倍拡充】インドを含む世界各国で人材拡大へ
生成AIスタートアップのAnthropicが、グローバル規模で人材拡大に踏み切ります。同社は2025年末までに国際的な従業員数を3倍に増やす計画を発表し、特にインドやアジア地域を重要市場として位置づけています。米国外でのClaude利用がすでに全体の約8割を占めており、その成長を背景に海外展開を加速させる狙いです。
◆ニュースのポイント
- Anthropic、Applied AIチームを5倍に拡充予定
- インド市場強化:Claude利用シェア世界2位、100名以上採用計画
- 他地域展開:オーストラリア、NZ、韓国、シンガポールにも進出
- 2024年に130億ドル調達、企業価値1800億ドル超
- OpenAIもインドで攻勢(拠点開設・低価格プラン導入・データセンター計画)
- AI市場の主戦場がアジアへ拡大
インド市場はClaude利用で世界第2位
インドはAnthropicにとって最も有望な市場の一つで、Claudeの利用シェアは7.2%と世界第2位を記録しています。利用用途では特に「コーディング支援」が多く、エンジニア人口の多い同国ならではの需要が確認されています。
Anthropicは今後、インドを含むオーストラリア、ニュージーランド、韓国、シンガポールでカントリーマネージャーを採用し、現地拠点を強化する方針です。インドでは100名以上の人材採用も視野に入れています。
Applied AIチームを5倍に拡充
人材戦略の柱となるのが「Applied AIチーム」の拡大です。研究にとどまらず、実際の産業応用や事業展開を重視する姿勢を鮮明にしており、AIを社会に浸透させる段階へ移行しつつあります。
Anthropicは2024年に130億ドルの資金を調達し、企業価値は1,800億ドル超と評価されました。急速に成長する売上規模と合わせ、投資余力を活かした事業拡張が進んでいます。
OpenAIもインドで攻勢へ
Anthropicの動きと並行して、OpenAIもインド市場での存在感を強めています。2025年内にはニューデリーに最初のオフィスを開設予定で、さらに1ギガワット規模のデータセンター建設計画「Stargate」も報じられています。
加えて、月額399ルピー(約4.6ドル)の低価格プラン「ChatGPT Go」を導入し、価格競争でもインド市場を狙っています。こうした動きにより、インドは「AI第二の母国市場」として位置づけられつつあります。
アジアを舞台に広がるAI競争
米国中心だった生成AI市場は、インドを軸にアジアへと拡大しつつあります。AnthropicとOpenAIの両社が現地採用やサービス拡充を進めることで、利用者にとっては競争による利便性向上が期待されます。
一方で、データ規制やローカライズ対応といった課題も残されており、各社がどのように克服するかが注目されます。
まとめ
Anthropicの人材拡大戦略は、単なる組織拡大ではなく、インドやアジアを中心としたグローバルAI市場の覇権争いを見据えた布石です。
急成長を続ける同社がどこまで市場シェアを伸ばせるのか、そしてOpenAIやGoogle、Microsoftといった大手とどのように競り合うのか、2025年のAI業界における大きな焦点となりそうです。