世界初の「思考で会話する」ウェアラブル、AlterEgoが発表

人工知能と人間の関係を根本から変えるかもしれない新しいインターフェースが登場しました。MIT発のスタートアップ AlterEgo は、音声を出さずに「思考のスピード」でコミュニケーションできるウェアラブルデバイスを発表。公式Xアカウント(@alterego_io)などを通じて、その仕組みとビジョンが紹介されています。
AlterEgo 発表のポイント
- MIT発のスタートアップが開発した「思考で会話できる」ウェアラブル
- 技術名は Silent Sense:言おうとした言葉だけを検知
- 主な用途:文字入力、検索、アプリ操作、無声会話
- 医療分野で発話障害の支援にも活用可能
- 目標は「摩擦のないインターフェース」と「心とAIのシームレスな接続」
言葉になる前の信号をキャッチ
AlterEgoは、脳が発話のために口や声帯に送る微細な神経信号を検知し、ユーザーが「言おうとした言葉」だけを捉えます。考えていることすべてを読み取るわけではなく、あくまで伝えたい内容のみを検出する仕組みです。
同社はこの技術を従来の「Silent Speech(無声音声)」から進化させ、「Silent Sense」と呼んでいます。これにより、口を動かすわずかな動きから、動作を伴わない「発話の意図」まで幅広くカバーできるとしています。
可能になる体験
この仕組みにより、ユーザーは次のような体験を実現できます。
- キーボードなしで「思考のスピード」で文字入力
- 無音でインターネット検索
- アプリのハンズフリー操作
- 周囲の世界に関する質問への即時回答
- 他者とのサイレントな会話
さらに大きな可能性として、発話障害を持つ人々に「声を取り戻す」支援が期待されています。AlterEgoは患者や医療従事者と協力し、実用化に向けた研究を進めているとのことです。
UIの限界を超える「心の拡張」
公式発表では、現在主流のキーボードやタッチスクリーン、さらには音声入力ですら「不便で不自然」と指摘しています。AlterEgoは人の意図を直接コンピュータに伝える「摩擦のないインターフェース」を提供し、AIを「人間の心の拡張」として位置づけることを目指しています。
今後の展望
AlterEgoはすでに早期アクセスの受付を開始しました。今後はさらなる技術仕様やユースケースの発表が予定されています。
同社は「AIとコンピューティングが人の心に溶け込み、背景へと消える未来」を描いており、今回の発表はその第一歩となります。
まとめ
MITの研究から生まれたAlterEgoは、SFのような「思考による会話」を現実に近づけつつあります。人とAIの関係を大きく変える可能性を秘めており、今後の進展から目が離せません。